Mark Levinson テクノロジー解説

ハイエンド・オーディオという新しいジャンルを確立した米国を代表するブランド「マークレビンソン」。その歴史ある設計思想は、現在も脈々と受け継がれ、常にエポックメイキングな製品を産み出し、世界中のオーディオファンからリファレンスシステムとして高い評価を受け続けています。

[1] デジタル関連

ハイサンプリングやハイビット化などの先端技術のみが議論された時代に、時間軸管理の重要性にいち早く着目。デジタルオーディオの可能性を飛躍的に高めた革新のテクノロジーを搭載しています。

クローズドループ・ジッターリダクション:Closed Loop Jitter Reduction

デジタル信号には時間軸を管理するクロックの精度や素子の反応速度に起因するデジタル信号特有の歪みが含まれており、その低減がデジタルオーディオ機器の大命題となっています。従来は各回路段毎にジッターの発生を最小限に抑える、という消極的な手法が一般的でした。マークレビンソンではこのような発想から脱却し、一つのリファレンスオシレーターにより機器全体の時間軸を高精度に管理する“クローズドループ・ジッターリダクション回路”を開発しました。カスタムメイドのクリスタルオシレーターの発生する高精度なクロックを基準にすべての回路段の時間軸を制御。しかも、このクロック発生部を最終出力段に設けることで、デジタル出力の精度を飛躍的に改善しています。まるで指揮者がそのタクトによりオーケストラから美しいハーモニーを引き出すように、統一された正確な時間軸をベースにした高純度なデジタル伝送を実現しています。

FI-FO:First information In-First information Out

Intelligent FI-FO

CDを初めDAT、LDなど、さまざまなデジタルフォーマットを扱うデジタルプロセッサーには、強力なジッター吸収の手段が不可欠です。マークレビンソンのデジタルプロセッサーでは、入力されたデジタルデータを一旦メモリーバッファーに蓄えてからオリジナルの高精度オシレーターによる正確なクロックを元に、完璧に時間軸制御されたデジタルデータとして取り出します。これにより、極めてジッターの少ないD/A変換を可能にしています。さらに、入力データを常時監視し、メモリーに出し入れするデータを適切にコントロールすることでデータのオーバーフローを避けながらバッファーメモリーの容量を小さくし、 D/A変換時のディレイを最小限に抑えています。この独創的なテクノロジーにより、入力されるデジタルソースの質を問わず常に歪みのない自然な音色の再生を可能にしています。

HDCD®:High Definition Compatible Digital

従来のCDフォーマットの欠点として指摘されていた、記録能力の不足に伴う情報の欠落や歪を改善する録音、再生プロセスです。HDCD録音ソフトでは、従来のデジタル信号に高解像度の情報が加えられており、通常のCDプレーヤーでも良質の再生が可能ですが、さらにフォーマットを越える豊富な情報がコントロール・チャンネルに記録されており、HDCD対応機を用いることでそのすばらしい再生音を満喫することができます。また、通常の音楽ソフトの再生時にも、HDCD再生プロセスを応用した高度なデジタル処理により、豊かな音場感と躍動的な音楽再生が可能です。